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地域創生マネジメントシステム 創生MS
隊員の活動記録が紙とExcel、Wordに散らばり、自治体側の集計が毎月の負担になっていました。記録・提出・承認を一本化し、日々の入力から月次・年次報告までを自動でつなぐことで、隊員は活動そのものに、職員は施策の検討に時間を使えるようにしました。


- 対象
- 地域おこし協力隊員・受入自治体
- 技術構成
- Next.js / Supabase / Vercel(東京リージョン)
- 担当範囲
- 要件定義・設計・実装・運用保守
- 導入期間
- 初期リリースまで約3か月
課題(自治体側)
地域おこし協力隊の受入自治体では、隊員一人ひとりの活動報告を担当課が毎月とりまとめる必要があります。しかし現場で使われている様式はWord・Excel・紙が混在し、隊員ごとに粒度も書式もばらばらでした。担当職員は月末になるとファイルを個別に開き、内容を確認し、共通の集計表に手作業で貼り直す作業に追われていました。
書き方が揃わないことで、記載漏れや解釈の食い違いが頻発し、隊員への問い合わせと修正依頼の往復が発生します。ここに毎月10〜20時間単位の残業が発生していた自治体もありました。年度末には全隊員の活動を集約した実績報告書を作成する必要があり、担当課の負担はさらに膨らみます。
さらに厄介なのが、上長や議会への説明資料をつくる場面です。隊員が実際に何をしていて、それがどの地域課題にどうつながっているのか、断片的な報告からは全体像を再構築しにくく、事業の効果や必要性を客観的に示すことが難しい状況でした。次年度の予算要求や後任の隊員募集の企画にも、この分析の甘さが影響を及ぼしていました。
課題(協力隊員側)
隊員側にとっても、報告書の作成そのものが活動時間を圧迫していました。自治体ごとに書式が違い、月報・活動日報・SNS発信報告・年次成果報告など、同じ内容を複数の様式に転記し直す作業が日常的に発生していました。「本来やりたい活動」より「報告のための作業」に時間を取られる、という声が現場から繰り返し上がっていました。
書式に合わない出来事——たとえば地域住民との立ち話で得た気づき、季節ごとの現場の変化、うまくいかなかった試みの記録——は、書き残す場所がないために消えていきます。これらは次に赴任する隊員や、同じ地域で活動する仲間にとって最も価値のある情報でした。個人のノートやSNSに散らばったまま、組織の資産になっていませんでした。
任期の途中で退任するケースや、次の隊員への引き継ぎもたびたび課題になります。前任者がどの地域のどんな関係者と、どんな経緯で信頼関係を築いてきたのか、書類だけを渡されても再構築は困難です。結果として、赴任した隊員は毎回ゼロから地域との関係づくりをやり直すことになっていました。
私たちがしたこと
記録・提出・承認をひとつの画面に集約し、日々の入力から月次・年次の帳票が自動で生成されるように設計しました。隊員が入力するのは、活動日・訪問先・関係者・時間・写真・気づいたことの6項目だけ。これを日々の記録として残していけば、月報・活動集計・成果報告書は自動的に組み上がる仕組みです。
設計にあたっては、当社メンバー自身が地域おこし協力隊員として現場で報告書を書いてきた経験を反映しています。「書きたいことが書式に収まらない」「同じことを何度も書く」といった、現場でしか出てこない不満を出発点に、入力フォームは現場で無理なく続けられる粒度に抑えました。写真は複数枚を一括で添付でき、位置情報は自動で紐づきます。
承認フローは、自治体ごとの決裁ラインに合わせて柔軟に組み替えられるようにしました。担当者→係長→課長という一般的な流れから、外部の運営委員会が入る変則的な承認まで、設定画面から並び替えるだけで対応できます。差し戻しや再提出の履歴も残るので、監査対応の資料としてもそのまま使えます。
任期を超えた「地域の資産」として活動記録を残せる点も、初期から重視しました。過去の記録は日付・場所・タグで横断検索でき、地域の関係者マップや年間の活動サイクルとして整理して、次の隊員に引き継げます。定型の引き継ぎドキュメントも、蓄積された記録から自動で下書きが生成されます。



成果
受入自治体では、月次の集計作業がほぼゼロになり、担当課の残業時間が縮小しました。これまで月末に集中していた業務が日々の承認作業へ分散し、月次報告書のプレビューがいつでも確認できる状態になったことで、上長や議会への説明も準備が容易になっています。
書式が統一されたことで、複数隊員の活動を横断的に把握できるようになり、次年度の施策検討や後任募集の企画立案にも活用され始めています。「どの地域で・どんな関係者と・どういう成果が出ているか」が可視化されたことで、事業の必要性を数字と事例の両面から説明できるようになりました。
隊員側も日々の記録と報告書の作成時間が短縮され、本来の活動——地域に足を運び、人と話し、動くこと——に時間を使えるようになっています。任期満了後の引き継ぎでも、記録が残っていることで次の隊員が地域との関係を継続しやすくなり、隊員が交代しても地域の取り組みが途切れない仕組みが生まれつつあります。
